スミセイと人
ドキュメント コロナ禍の現場では<保険金サービス部>~すべてはお客さまのために~

コロナ禍においても、「お客さまのために」と奮闘する当社職員の姿をお伝えする連載企画の3回目(最終回)です(前回分はコチラ)。今回は保険金支払業務に携わられている保険金サービス部の皆さまにインタビューさせていただきました。

第7波ピーク時には、通常の想定を大きく越える給付金請求が殺到して、未曽有の事態の中心に巻き込まれた保険金サービス部。こんな時だからこそ早くお支払いしたいという思いと、それを飲み込む勢いの給付請求の件数、いかに過酷な状況であったかはその場にいた人にしか分からないことも多かったことかと思います。

今回も前回同様、コロナ禍でのお仕事に加えて、普段どのようなことを大切にお仕事されているかについても、あわせてインタビューさせていただきました。

まずは給付金室の山﨑さんです。山﨑さんは全国の支社からの給付金・保険金に関する照会ダイヤルの受電業務をご担当されています。第7波のピーク時にはやはり大変な状況に追い込まれたようです。

①給付金室 山﨑さん

 支社・支部の皆さんからの給付金・保険金に関する照会の受電業務を担当しています。全体では20数名で受電していますが、昨年の8、9月にはコロナの罹患者数が急増し、それに伴い照会の電話も通常の2~3倍に増え、年末までなかなかつながらない状況になってしまいました。デジタル請求の取り扱いにもまだ慣れていらっしゃらない中で、コロナ請求の必要書類も基準が変わるため、皆さん二重に困惑されている状況でした。夏は手続き関係の受電が多かったのですが、秋以降は支払遅延の進捗確認・至急の処理依頼の電話が増えましたね。「1カ月待っているけど本社は何してるんだ」といった厳しいお声はたくさんありました。その電話を受けている隣で査定グループのメンバーが必死に支払処理をしているのを見て苦労を肌身で感じているだけに、本当に辛かったですね・・・コロナ以外の照会もあるので、まさにてんやわんやの状態でした。ピーク時にはお待たせしている期間が長期間に及び本当に申し訳なかったのですが、受電件数が多いことや支払体制に関する厳しいお言葉をいただくこともあり、心身ともに疲弊していた中、メンバー同士励まし合ってなんとか乗り越えられたと思います。

 一方で、現場の皆さんにはお客さまからの直接のお申し出があるにもかかわらず、電話の終わりに「お互い大変だけど頑張りましょう」「丁寧に教えてくれてありがとう」というお言葉をいただけたりしたのは嬉しかったです。大変な時期を経て査定グループとの連携もより密になった気がします。

 いつも電話だけのつながりで、顔も分からない方との1回1回のやり取りです。その場ではお伝え出来ないのですが、この場をお借りして、お互い頑張りましょう!ということはお伝えしたいです。

給付金室 山﨑さん

続いて、給付金室の木西さん、支払査定をご担当されています。まさに当社の根幹業務である保険金・給付金のお支払いという職責を、コロナ禍という未曽有の事態の中で担われていたメンバーのひとりになります。

②給付金室 木西さん

 コロナが流行り始めた頃は、保険会社として支払業務を止めることはできないので、緊急事態宣言などで通常の出勤、勤務もままならない中、少ない人数で業務のやりくりをするのが大変でした。密にならない勤務体制に変わっていく一方で、コロナ罹患者がどんどん増えていくのは不安でしたね。

 平常時の未決は3000件ぐらいですが、第7波によるコロナ請求のピーク時には10万件が未決として残っている状況でした。案件が増える一方で、査定担当者やそのご家族も含めてコロナ罹患者が増えていく中での業務だったのでそれも大変でしたね。中でも一番苦労したのは、いかにご請求いただいた順番にお支払いするか、という点です。案件の難易度によって工程が分けられているのですが、コロナ請求が急増することで案件のバランスが崩れてしまい、極力、請求順に処理をするために、いかに人繰りをしていくか、案件のバランスを取るかといった点に常に頭を悩ませて試行錯誤する毎日でした。一人が抱える未決は通常であれば数十件程度ですが、これが最大500件ぐらいにまで膨らみ、通常の未決指標を越えすぎて、さらに未決を持っている上にどんどん案件が来るので、精神的にも参ってしまう状況でした。

 直接お客さまの声をお聞きすることは少ない部署なのですが、請求書類の中にお客さまからのお手紙で「とても大変だと思いますけどお願いします」などのお言葉が入っていたりすることで癒されたり、不備で拠点に連絡した際も、社内では案件滞留していることが分かっているので、ねぎらいのお言葉をたくさんいただけたのは嬉しかったですね。

 本当に大変だったのですが、コロナ禍を経てちょっとでも省けることはないかと踏み込んだ業務効率化ができたのは良かったことのひとつです。室としては「正確・迅速・丁寧なお支払い」を掲げており、常に意識しているところですが、今後もコロナを経て実現できた業務レベルアップに引き続き取り組んでいきたいです。

 最後にひとこと。他グループ、他部署から本当にたくさんの応援をいただいて何とか乗り越えることができました。部署関係なく会社全体が力を合わせる素晴らしさを実感しています。この場をお借りして皆さんに感謝の言葉をお伝えしたいです。本当にありがとうございました!!

給付金室 木西さん

(給付金室:怒涛の3年間を乗り越えた当時の現場です(2022年撮影))

続いて、支払企画室の加藤さんです。高品質なお客さまサービスを実現すべく、デジタル請求の推進に精力的に取り組まれています。研修やZoom朝礼などでお顔をご存じの方も多いのではないでしょうか。

③支払企画室 加藤さん

 コロナ禍で大変だったのは、給付請求がかなり増えて処理が追いつかなくなり、デジタルの一番のメリットである着金日が早いというメリットがPRできなくなったことです(通常1.8営業日が10営業日ぐらいまでに遅延)。紙の方が慣れているし、デジタルだと本当に届いているのかという実感も得られない…紙だとポストに入れたという手応えは確実にあるので紙に戻る動きも一部で見られました。郵送に時間を取られない分デジタルの方が早いし、遠隔での手続きで感染予防というメリットはあるんですが、、、都会地ではコロナ禍を機に在宅勤務もしくは対面不可も増えて、「紙で送っておいて」というオーダーも多いようです。紙手続きに比べて着金が早いことも含めて、いかにDS請求の方がお客さま・営業職員のみなさん・拠点事務担当者のみなさんにとってメリットがあるのかということを伝えていくのが今後の課題と思っています。

 1日で処理できる件数は上限がある中で、それ以上の給付請求があって、特に、第7波でコロナ罹患者が急増した昨年の8月以降、未決が解消する年度末までの間は大変な状況でした。担当を問わずメンバー総出で当時は必死に処理していました。そんな中でも、お客さまからの「着金が早くて助かりました。」などの感謝の声を人づてにお聞きしたり、研修をやった支社からのデジタルやってみます、研修のお陰でデジタル進みました、の声を聞くのは嬉しかったです。

 自分が大切にしているのは、現場、お客さまのお役に立つこと。JDパワー社からも評価していただけたように、当社の強みはお客さまへの対応力だと思っています。足元の職務ではデジタルを融合した高品質なサービス提供の仕組みづくりに取り組んでいきたいですし、ゆくゆくは事務面に強い支部長として営業職員のみなさんをサポートするのが目標ですね。

支払企画室 加藤さん

最後は、支払企画室の山田さん。デジタル請求の仕組みづくりをご担当されています。コロナ罹患者が日に日に急増する中でのシステムレベルアップ等、ギリギリの対応の渦中で、裏ではやはりドラマがあったようです。

④支払企画室 山田さん

 昨年8月に第7波の襲来でコールセンターの受電件数が徐々に増えてきて、このままではまずいという感じになってきたことから、お客さまご自身の手続きでDS請求ができるように、短期間で検討を進めて8月中旬にリリースすることができました。その裏では、室内でも徐々にコロナ罹患者が増えてきて、システムの本番直前に自分もコロナになってしまい、本番日は自宅療養中に迎えることになりました…皮肉なことなんですが、自身の給付請求もDSで身をもって体験することができたのは記憶に残っていますね。

 コールセンターの人たちからもDS請求の仕組みができてなかったらどうなっていたか分からないとの言葉をいただけたのは嬉しかったですね。他部門の協力もあって、ホームページのご案内バナー、コールセンターでの音声案内を通じてDS請求の推進ができたので、お客さまにはお手続きを上手くリードできたのかなと思います。コロナ禍で対面手続きが制約を受ける中で、DSでの給付請求は威力を発揮したと思いますし、感謝の言葉もたくさんいただけたのは嬉しかったです。

 普段の仕事ではスピード感、早いリアクションを心がけています。システムでいえば、実際に利用するお客さま、職員の意見、気持ちを想像しながら仕事に取り組んでいます。本社の都合もないわけではないんですが、とにかく現場で実際に使う人たちの使い勝手の良さを優先するように心がけていますね。

 昨年は支払遅延など現場の皆さんにご迷惑をおかけしたのは大変心苦しく感じているところなんですが、裏ではこんな感じで頑張っていた、ということがこの機会に少しでも伝わると嬉しいです。

支払企画室 山田さん

インタビューにご協力いただいた保険金サービス部の皆さま、ありがとうございました!

今回ご登場いただいたのは一部の方ですが、当社の根幹業務であり存在価値のひとつである保険金・給付金のお支払いを、過酷な状況下で全メンバーが支えていただいていたことがよく分りました。

皆さま、それぞれ口をそろえておっしゃっていたのが、支援をいただけた仲間、本当に大変だった時にかけていただいた温かいお言葉への感謝でした。

 

コロナ禍の現場で何が起こっていたのかをお伝えしてきましたシリーズ企画は今回で終了となります。ご登場いただいた方はごく一部の方になりますが、今回取り上げられなかった多くの方がそれぞれの持ち場でご奮闘されていたことと思います。今日までのお互いの頑張りを称(たた)えあい、そして明日からまた共に前に進んでいきましょう!!

 

 

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