スミセイと人
住友生命での派遣研修を終えて~都庁トレーニーから見たスミセイ~

ソーシャルコミュニケーション室 田中 智奈美(2023年度東京都庁トレーニー)

昨年4月からの1年間、都庁トレーニーとして派遣研修させていただきました田中智奈美です。住友生命の皆さま、貴重な経験と大きな学び、そして何よりとても楽しい1年間を本当にありがとうございました! 

期間中、私はブランドコミュニケーション部ソーシャルコミュニケーション室にて、東京本社におけるヒューマニー活動の企画・運営をはじめとしたCSR活動を主に担当させていただきました。職員の皆様と直接やりとりする機会も多く、顔の見える関係性の中で皆さまとともに伝統ある住友生命のCSR活動の一端を担えましたこと、大変ありがたく思っています。 

※都庁トレーニーとは、東京都庁から企業へ出向し、研修を受ける職員のこと。当社では1992年から、毎年1年単位で東京都庁職員を受け入れております。

派遣元 東京都での業務について

 私は、東京都庁の中で「公務員獣医師」として従事しています。「獣医師」というと、都会では犬や猫のお医者さん、農村地帯では牛や馬のお医者さんというイメ-ジが一般的ですが、実際には、獣医師は、犬や猫、牛や馬の診療だけではなく、実に様々な分野で活動しています。その中で公務員獣医師は、主に食品衛生・環境衛生・動物愛護の三つの柱を軸とする公衆衛生分野を専門としています。世界の中でも有数のヒトやモノの集積地・東京において、新たな食中毒や感染症の発生等、健康を脅かす様々なリスク発生の可能性は年々高まっており、これに付随して都庁で働く獣医師に求められる使命も益々重くなっています。 

東京都動物愛護相談センターにて

豊洲市場にて

職員表彰式にて

 

私は今まで、東京都動物愛護相談センター(負傷した犬猫の治療や譲渡、動物取扱業の許認可等)、保健所(理美容院・クリーニング所・公衆浴場の許認可等)、豊洲市場(場内関連事業所の許認可、ふぐ毒や添加物検査等)で勤務してきました。いずれの現場も自身の判断一つが動物、ひいては都民の命と健康に直結するため、常に緊張感を求められますが、その分大きなやりがいもある仕事です。 

研修を終えての感想

*住友生命の印象

今まで私は民間企業、特に保険会社とは縁がない人生を送っておりましたため、着任前は住友生命に対し、ハードルが高くてやや排他主義的なイメージを持っていました…。しかし実際に着任してみますと、そんなイメージとは真逆に、部署内はもちろん部署間でのコミュニケーションも盛んで、私のような外部からの意見や視点を柔軟かつ積極的に受け入れる雰囲気に溢れており、とても安心して業務に取り組むことができました!

また、住友生命の電子決裁・ハンコレスはもちろん、TeamsやZOOM、outlook等の活用による時間や場所を問わない効率的な業務の進め方を体得し、都庁も現在デジタル化改革を進めているところではあるものの、まだまだ遅れを取っていることを痛感させられました。

 
*住友生命で学んだこと

今まで私は、公衆衛生分野の専門家として、主に疫学的な観点から日々の生活における疾病の原因を探り、事前の予防や迅速な改善の徹底により人々の健康で安全な暮らしの実現に努めてきました。しかし、今回住友生命で研修させていただくなかで、「一人ひとりのよりよく生きる=ウェルビーイング」という新たな概念に出会い、自分の立場を中心とした「私の健康」から「私たちの健康」へ、そしてもっと広く客観的に「一人の健康」から「みんなの健康へ」と広げて見ていくことの重要性を実感しました。

現代社会に重積する健康課題の背景には、個人の生活習慣はもちろん、それを規定する肉体的、精神的、そして社会的な要因が複雑に絡み合って影響を及ぼしています。つまり、一人ひとりの健康は自分一人だけで成し得るものではなく、周囲の人々とともに健康について考え、どうしたらよいかを模索し、実行していくことではじめて実現することができると考えます。一人ひとりのそういった思考や行動が、SDGsやカーボンニュートラル、持続可能な社会の実現等に結びつき、いまをともに生きる世界の人々、そして次の世代とともに健康で楽しい生活を送ることに繋がるのだということを体得させていただきました。

 
*都庁に戻ってから

東京都では、少子高齢化や人口減少など、長年先送りにし続けてきた構造的な課題が、近年いよいよ先鋭化しています。また、首都直下地震や気候変動などの自然災害はもとより、健康や暮らし向き、治安など、様々なリスクへの不安も高まっています。

これらのリスクに「備える」だけでなく、「健康増進」を応援し、リスクを「減らす」には、新しい発想、つまり住友生命で培ったウェルビーイング的観点が不可欠です。住友生命で培ったこの経験や学びを発揮させ、一人でも多くの方々の安心安全に寄与していきたいと考えております。

住友生命の皆さま、1年間本当にありがとうございました 

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